专利摘要:
コンピュータにより生成されたビデオホログラムの再現装置は、小さい装置奥行き、軽量、及び製造に係る量力を削減するディスプレイにおける高輝度及び画質を有する、制限された帯域幅のホログラム(5)を再現するオブジェクトを有する。装置は、光変調マトリックス(SLM)による変調の後、ビデオホログラムを用いて符号化されたコヒーレント光であって、ビューイングウィンドウ及び光変調器10(SLM)によって形成された空間に3次元シーンを再現するコヒーレント光を眼球位置(4)に導く回折光学素子(DOE1〜3)を有する焦点フィールド(2)を有する。
公开号:JP2011510341A
申请号:JP2010542645
申请日:2009-01-19
公开日:2011-03-31
发明作者:ハーゲン ザーム,;ノルベルト ライスター,;ステファン ライチェルト,
申请人:シーリアル テクノロジーズ ソシエテ アノニムSeereal Technologies S.A.;
IPC主号:G02B5-18
专利说明:

[0001] 本発明は、3次元シーンをホログラフィカルに再現する、ホログラム再現システムの照明ユニットに関する。再現システムは、光変調手段及び照明ユニット等、他の構成を備える。照明ユニットの照明手段は、光学的合焦手段を介して光変調手段の面をコヒーレントに照射する、コヒーレント光を放射する。再現のため、信号処理装置は例えば少なくとも1つのビデオホログラムシーンの画像及び深度情報に基づいて計算を行い、空間光変調手段のセル構造の変調器において深度情報を符号化する。光変調手段がコヒーレント光を照射された場合、少なくとも一人の観測者の目の前に、3次元シーンをホログラフィカルに再現する、変調された波面が生成される。]
[0002] 従前の画像表示手段またはビデオプロジェクタ及びテレビ受像機に用いられるような、少なくとも数百万ピクセルの解像度を備える光変調器は、例えば光変調手段として特に適している。光変調器のピクセルが多い場合は、観測者の眼球位置が限られた空間にある場合に視認可能なシーンのオブジェクト光点(object light point)のみ再現がされ得るが、目的の3次元シーンは比較的低解像度を有する情報だけで十分に再現され得る。この従前のホログラムとは対照的な効果を得るために、信号処理装置は、好ましくは光変調手段の変調面において、それぞれのオブジェクト光点のホログラム情報を伴う、空間的に制限されたサブホログラムのみを符号化する。これは、眼球位置の視野における視認領域において視認可能な光点のみを再現するシステムに対して、利点を有する。]
[0003] 本発明は特に、前述の形式のホログラム再現システムのための、少なくとも1つのコヒーレント光の波面を伴う、光変調手段の面を照射するための照明ユニットの光学的合焦手段に関する。]
背景技術

[0004] 例えば「ビデオホログラム、及びビデオホログラムを再現するための装置」と題された特許文献1のようないくつかの特許出願において、本発明の出願人は、好ましく適用されることが可能な、本発明に係る照明ユニットを含むホログラム再現システムについて既に述べている。]
[0005] 特許文献1は、照明手段及び合焦手段を有する照明ユニット、及び光変調手段を備える再現システムについて開示している。合焦対物レンズは、再現システムにおいて合焦手段の役割を果たす。ビデオホログラムよりはかなり低い、従前の液晶ディスプレイの変調解像度により、システムはホログラフィカルに再現されたシーンが、空間光変調器と広視野角の眼球位置における視認領域間に広がる再現空間において、少なくとも1人の観測者に良好な解像度で大きな空間深度を伴って視認可能にされることを実現する。光変調手段は、それぞれのオブジェクト光点のホログラム情報が、サブホログラム状の制限された変調面によってのみ伝播されるように、合焦された光波を上述した符号化を用いて変調する。視認領域は、眼球位置に伝播される光波の焦点に重畳されるサブホログラムのフーリエ変換の結果として生成される。合焦手段は、本装置において光学的に必然のフーリエ変換を実現する。計算中、サブホログラムは、複数の変調器セルを伴う光変調手段の格子構造により生成される1つの回折次数に視認領域が位置するように、変調面全体のサブ領域に縮小される。]
[0006] 合焦対物レンズの要求有効幅が光変調手段の大きさに一致していなければならず、不都合であった。このことは装置を、巨大に、そして材料を費やし、高価なものにする。]
[0007] 「3次元シーンのホログラム再現装置」と題された特許文献2において、出願人は、再現されたシーンを見るための眼球位置において、光変調器の表面より小さい、少なくとも1つの視認領域を用いる装置についても開示している。装置は、それぞれの視認オブジェクト光点についてサブホログラムも符号化している。]
[0008] 単一光源の代わりに、前述の装置は、互いに位相が異なるが干渉を起こす照明素子であって、別々の合焦素子が割り当てられた照明素子を有するアレイ状の光源を備える。合焦素子は、アレイ状の合焦レンズで形成される合焦マトリックスとともに開示されている。合焦マトリックスの対応する合焦素子とともに、アレイ状の光源の照明素子のそれぞれは、別々の部分波を伴う光変調器の表面のサブ領域のみを照射する、要素的な照明ユニットのように機能する。それぞれの合焦素子は、眼球位置に割り当てられた照明素子を結像する。照明素子は、好ましくはそれぞれが球面波を放射する点光源である。]
[0009] サブホログラムのサイズ、形状及び位置は、要素的な照明ユニットにより照射された光変調器の表面のサブ領域のサイズ、形状、及び位置とは一致しない。サブホログラムのサイズ及び位置は、再現されるオブジェクト光点の軸上及び横方向の位置と連動する、視認領域の位置及び技術的に実現可能なサイズによって主に定義される。合焦マトリックスの幾何学的構造は、所望の光密度を得るために必要な照明素子の数、合焦手段の好ましい焦点距離、及びその他のパラメータ等の、技術的なパラメータにより選択され得る。]
[0010] 先行技術の装置の主要な利点は、干渉を起こす光源アレイの照明素子のそれぞれが光変調器の異なる領域を照射するため、生成された一部の光波が相互コヒーレンスを示さなくてもよいことにある。]
[0011] しかしながら、十分に高解像度のホログラム再現は、視認領域のサイズが瞳のサイズ程度まで縮小される場合、比較的低解像度の光変調器だけで実現され得る。再現システムを快適に使用可能にするために、システムは位置検出、及び観測者の現在の眼球位置と視認領域の位置を一致させる、即ち結果的に追跡するトラッキングシステムを備えなければならない。]
[0012] このことは、照明ユニットの1つの物理的形状において、合焦マトリックスにおいて、照明素子は横方向に即ちシステムの光軸に対して直角の方向に動かされることを実現させるかもしれない。要素的な照明ユニットによって放射された個々の波は、それ故に現在の眼球位置に依存する異なる伝播角度で、対応する合焦素子を通過する。同様の問題は、合焦のための対物レンズを利用するシステムにおいても生じる。]
[0013] 従来技術の再現システムでは、合焦手段は一様な光波を形成するためのコヒーレント光のコリメーション、眼球位置における光源の結像、及び眼球位置への光変調器によって変調された光波の光学的変換のような多くの機能を実現することにより、上述された視認領域が眼球位置において生成される。従来技術の再現システムの合焦手段は、このために屈折方式及び光の反射の少なくともいずれかで動作する光学部品を用いる。これは、合焦手段がレンズ、プリズム、鏡、または偏向プリズムのような、屈折するまたは反射する素子を備えるからである。]
[0014] 合焦手段において屈折素子を伴う照明ユニットは、ホログラム再現システムの全容量の多くの容量を占めるため、このような表示装置はとても巨大な構成となる不都合がある。]
[0015] 屈折素子の他の不都合は、開口数及び伝播角度による、大幅な単色収差(例えば球面収差)をもたらし得ることである。照明ユニットにおいて発せられた変調波が収差により妨げられる場合、異なる部分波の視認領域の一致におけるエラーを引き起こすかもしれない。このことは、照明装置の異なる部分波の視認領域が、眼球位置に正確に一致させられていないことを意味する。]
[0016] さらに、収差は再現された点が所望の位置に現れないことを引き起こし、再現されたシーンの全体の幾何学的な視角再現にバイアスをかけることになる。]
[0017] 極端な場合、再現された光点の位置は、個々の再現された光点が視認領域において観測者の目によってもはや気づかれないほど、所望の位置から遠く離れた点になり得る。]
[0018] 有色シーンの再現のために、ビデオホログラムは、例えば異なる波長のコヒーレント光、例えば原色の赤、緑、青の光波等で照射される。周知のように、屈折素子は光学部品の媒体を通過する間に、光波長に対する屈折率の依存関係を示す。この所謂分散は、視認領域から再現を見た際の有色ライニング(colour lining)の妨げとして理解され得る、有色シーンの再現中の色収差(焦点の色シフト)を引き起こす。]
[0019] 屈折光学手段を有する光変調手段の照明に加え、回折光学素子を有する照明が先行技術に開示されている。例えば「回折光学素子を用いて所望の照射プロファイル(irradiance profile)を生成するための照明システム」と題された特許文献3は、単一光源により、表面の領域に所望の照射プロファイルを提示する照明システムについて開示している。システムは、面において光源が結像するための光学結像システム、及び所望の照射プロファイルを生成するための回折光学素子(DOE:diffractive optical elements)を利用している。]
[0020] 面全体に照射するために照明ユニットは多量の光学部品を必要とし、システムの光軸方向において大きな広がり示すため、それ故に巨大な体積を有する。それ故に、小規模なホログラム再現システムの必要性について考慮した場合、所望の利用には実際は適していない。]
[0021] 本発明において、回折光学素子(DOE)は、光回折の効果を用いて伝播波のコヒーレント光を形成する、周期的微細構造を有する透過または反射する素材である。伝播光波における異なる波長に起因して、局部位相変調は周期的微細構造において光波の伝播として生成され、それ故に、干渉パターンを生成する。回折光学素子の微細構造がしかるべく設計される場合、発展的なまたは破壊的な干渉は、コヒーレント波の伝播を特に特徴付けることを可能にする。周期が数マイクロメートル幅、及び光波長幅の少なくともいずれかである、回折光学素子の2次元の周期的微細構造における回折は、例えば2値の回折微細構造を伴う、異なる回折次数における光波の偏向を引き起こす。このことは、出力光波(exiting light wave)が、複合配光を有することを意味する。マイクロプリズムや所謂ブレーズ回折格子等の、対応する周期的微細構造の選択は特に伝播波に影響をもたらす。それ故に、システム内の迷光の妨害を引き起こし、システムの効率を減少させる望ましくない回折次数は、抑制され得る。]
[0022] さらに、「多色回折レンズ」と題された特許文献4は、例えば異なるスペクトル光素子を有する、光を備えるRGBカラー表示装置に用いられ得る、マルチスペクトル照明用の回折レンズについて開示している。レンズは、フレネルゾーン構造の形状の回折微細構造を備える。微細構造は、空間の1つの共通の焦点において、異なる光波長の光素子を方向付ける多数のゾーンを備える。当該構造は、レンズに入射する、及びそれぞれのスペクトル成分の光を、異なる回折次数において焦点に向かうように回折する光の位相に応じた位置に移動する。]
先行技術

[0023] 国際公開第2004/044659号パンフレット
国際公開第2006/119920号パンフレット
米国特許第6002520号明細書
米国特許第5589982号明細書]
発明が解決しようとする課題

[0024] それ故に、本発明の目的は、ホログラム再現システムに、安価な方法及び低価格なマテリアルのみを用いて、ホログラム再現システムの構造上の奥行きを極めて少なくすることにより、上述した回折レンズアレイの不都合を回避する、光変調手段を照射するための高効率な照明ユニットを提供することにある。]
課題を解決するための手段

[0025] 本発明は、干渉を起こす少なくとも1つの光波であって、照明手段により放射される少なくとも1つの光波において、少なくとも1つのビデオホログラムを変調する空間的な光変調手段を備える、シーンに係るオブジェクト光点の3次元的再現のためのホログラム再現システムに基づく。光学的合焦手段は、観測者の少なくとも1つの眼球位置に、ホログラフィカルに再現されたオブジェクト光点を含む変調された光波を合焦させ。システムは、光波の方向づけ及び追跡に関わらず、光波が眼球位置の前にオブジェクト光点を再現するように光変調手段を符号化する。]
[0026] 再現システムは、マトリックス上に構成された合焦素子を有する少なくとも1つのアレイ状の光学的合焦手段、及びマトリックス上に構成され、干渉を起こす光を放射する照明素子を有するアレイ状の光源を備える。合焦素子は、それぞれの合焦素子が、光源であるアレイ状の少なくとも1つの照明素子に割り当てられるように、アレイ状の合焦手段は構成される。再現システムは、例えば多段の結像処理を実現するための、1つのアレイ状の合焦手段または複数の合焦手段、及び光路上に次々に配置された複数のアレイ状の合焦手段の少なくともいずれかであってよい。]
[0027] 本発明によれば、アレイ状の合焦手段は、干渉を起こす部分光波を形成するための対応する照明素子のコヒーレント光を形成するために、それぞれが光源であるアレイ状の照明素子に割り当てられた、透過または反射素材のマトリックス状の回折光学素子(DOE)である。]
[0028] 回折光学素子は、実際にまたは実質的に対応する光源を結像する、または個々の部分光波で構成される特定可能な照明波が空間光変調手段を照射するように、対応する部分光波を方向付ける。構成される照明波は、平面、球状または円筒状であることが好ましい。]
[0029] 再現システムが1つのアレイ状の合焦手段のみを有する場合、光源は観測者の眼球位置近辺において、単段の処理で結像される。即ち、全ての部分光波は、変調手段の表面のサブ領域が照射された後、眼球位置において1つの共通の焦点で一致するように方向付けられる。この場合、アレイ状の合焦手段の回折光学素子のそれぞれは、眼球位置においてアレイ状の光源の対応する照明素子を結像する。]
[0030] また、再現システムは観測者の眼球位置において、アレイ状の光源の多段の結像が実現されるように、複数の合焦手段、及び光路上に次々と配置された複数のアレイ状の合焦手段を備えることができる。例えば、結像処理の第1段階では、個々の部分光波が空間的な光変調手段のために面照明波を構成するように、全ての光源は無限遠に結像され得る。この場合、第2段階において、他の合焦手段またはアレイ状の合焦手段により、観測者の眼球位置において光源の結像が実現される。例えば回折構造のある製造限界を考慮するために、使用される個々の合焦手段及びアレイ状の合焦手段に対し、眼球位置において光源を結像することが要求される合焦手段の屈折力を広げることが可能、または好ましい。]
[0031] アレイ状の合成手段及び合焦手段の少なくともいずれかは、再現システムの光変調手段の前または後ろに接近して配置されることが好ましい。それ故に、アレイ状の合焦手段は、全ての変調器セルはサブホログラムを符号化するために用いられることが可能である、光変調手段の変調器セルの全面を照射し、観測者のために広視野角を実現する。]
[0032] 照明素子は、点光源、または線光源であることが望ましく、それぞれ球面波または円筒波を放射する。]
[0033] 好ましい実施形態において、回折光学素子は面状に構成され、アーチ状のレンズアレイの光学関数を実現する。これは、特に、マトリックス状に配置された回折光学素子のピッチを、横方向、即ちシステムの光軸と直角をなす方向において照明素子のマトリックスのピッチと異ならせることにより実現され得る。]
[0034] 少なくとも1つの眼球位置において変調された光波を方向付けること、及び観測者が動いた際に現在の眼球位置への合焦された部分光波の追跡を可能にするために、少なくとも1つのアレイ状の制御可能な偏向素子を備える光偏向手段は、干渉を起こす変調された光波の光路上において光学的合焦手段及び変調手段の後に配置され得ることが好ましい。]
[0035] 従来技術の照明ユニットに対し、本発明によればマトリックス上に配置された回折光学素子(DOE)を有するアレイ状の合焦手段は、微小収差を有する光変調手段の照明を実現する。アレイ状の合焦手段の回折光学素子(DOE)のそれぞれは部分光波を生成し、そして個々の部分光波は光変調手段を照射するための、理想的または少なくとも理想的に近い波を構成するように合成される。構成された照明波は、面状、球状、円筒状、または他の定義された形状にできることが望ましい。さらに、それぞれの回折光学素子は所望の眼球位置の空間の、共通の点において対応する照明素子を結像する。アレイ状の合焦手段の全ての回折光学素子は、更なる合焦手段またはアレイ状の合焦手段を伴う必要がある場合は、シーンのホログラム再現のために必要なフーリエ変換を実現する。]
[0036] 全ての所望のカラーを伴う有色のホログラム再現を実現するためには、離散光波長を有する照明のみが必要であるので、発明の他の特徴は、離散光波長の使用において、回折光学素子の光学的挙動の依存関係を利用する。発明によれば、色再現のために、アレイ状の合焦手段における周期的微細構造は所定の離散スペクトル波長を有する操作のために次元化され、照明ユニットによって放射された異なる光波長を有する光成分の波において、それぞれの光波長が別々の回折次数で所望の部分光波を提供するように構成される。周期的微細構造は、回折光学素子に入射する、及び異なる回折次数において焦点に向かうようにそれぞれのスペクトル光成分の光を回折する、光波の位相に応じた位置に移動する。]
[0037] これらの回折次数は、微細構造が選択された離散光成分波の光を、選択された離散光波長の高い回折効率を示しながら、それぞれ同じ方向に偏向する。さらに合焦手段またはアレイ状の合焦手段と任意に組み合わせることで、異なるスペクトル光成分の光は、空間の共通の焦点に方向付けられる。]
[0038] この共通の点は、再現されたシーンを見るための必然的な眼球位置を定義する。フーリエ変換を経て視認領域を生成する再現システムにおいて、視認領域は当該点に生成される。本発明のこの特徴的な実施形態は、単色収差及び有色収差の両方を回避し、同時に理論上はほぼ100パーセントの回折効率を提供する。]
[0039] 合焦手段の回折光学素子は、使用された原色の光波長にかなり正確に調整される、所謂ブレーズ回折素子も備えることが可能である。この方法で、所望の回折次数における照明素子の光の一部分は焦点に到達し、再現を提供不可能または再現において望まれない回折次数における光のロス及び外乱は、回避または抑圧される。]
[0040] 発明の更なる特徴によれば、本発明に係る照明ユニットは、位置検出手段、及び焦点及び変調された光波が現在の眼球位置に従って追跡されることを可能にする波追跡手段のシステム制御器を備えるホログラム再現システムにおいて用いられる。]
[0041] 現在の眼球位置に空間の共通の焦点位置を一致させるために、アレイ状の合焦手段及び合焦手段の少なくともいずれかは、周期的微細構造の回折特性が個々に制御可能なマイクロセルを有する回折光学素子(DOE)を有する。]
[0042] 現在の眼球位置の横方向にシーンの再現に先立って、変調され合焦された光波を方向付けるために制御可能なマイクロセルは、プリズム機能を有する制御可能な光回折格子を実現可能である。これは、例えば数マイクロメータ以下のサイズのセルを有する、液滴駆動セル(electrowetting cell)の設置を用いて実現され得る。液滴駆動セルと併せ、例となる現段階で非公開である国際特許出願PCT/EP2008/064052も参照されたい。]
[0043] 回折光学素子は、コヒーレント光または少なくとも部分的なコヒーレント光が用いられるため、ホログラム再現システムのような干渉を起こす光を要する、光変調手段の照明に特に適している。離散光波長を有する色再現のために、異なる回折次数を用いる回折光学素子は、比較的小さい影響でとてもよく是正し得る。]
図面の簡単な説明

[0044] 本発明に係る照明ユニットを備えるホログラム再現システムの一般的な構造を示す。
3次元シーンのオブジェクト点を生成するために用いられるサブホログラムを示す。
単一の回折光学素子を設計するために用いられるグラフを示す。
本発明の実施形態に係る回折光学素子の回折効率のグラフを示す。]
実施例

[0045] 以下、単一の回折光学素子の計算について例示的に示す。本発明に係るアレイ状の合焦手段が、横方向に隣接する、個々の回折素子が同一または異なる位相関数を実現可能である、複数の回折光学素子によって構成されることは、当業者によって理解されよう。]
[0046] 回折光学素子の連続的な位相関数φ(x,y)は、所望の出力波と入射波間の位相差、即ち回折光学素子の前後の位相差を示す。DOEはほぼあらゆる波面により生成され得る利点があり、所望の理想出力波及び現実の入射波は計算に用いられるため、収差補正は容易に行われ得る。さらに所謂ブレーズ手順のステップにおいて、連続的な位相関数φ(x,y)は、
Ψ(x,y)=φ(x,y)・mod(m・2π)
(mは整数であり、所謂「ブレーズ次数」を示す)
で記述され得る、mを法とした2π位相プロファイルに変換される。ブレーズ次数mは、特に本発明のさらなる特徴に係り利用され得る、追加の設計自由度である。別のブレーズ位相プロファイルΨ(x,y)は、高ブレーズ次数が一般的に使用される1次ブレーズ次数が用いられるため、1及び同一の位相関数φ(x,y)に基づいて生成され得る。高次のブレージング(blazing)が使用される場合、DOEが完全に高い回折効率を有する所望の同一波面を実現するために、複数の離散波長が発見され得る。これは、
mλ0=qλblaze
(mは、設計波長λ0のブレーズ次数、qは異なる波長である所謂ブレーズマッチ(blaze-matched)波長λblazeのブレーズ次数である)
を満たす場合に成り立つだろう。任意の離散波長においてm及びqの適切な次数を発見するために、これらの複数の共通波長のうち最も低いものが決定される。そしてこの波長は、回折光学素子の合成設計波長を示す。設計手順の最終ステップにおいて、ブレーズ位相プロファイルは面プロファイルに変換される。ブレーズ次数及び微細構造の材質の両方は、微細構造の奥行きが定義される際に考慮されなければならない。高次のブレージングは、製造されるように簡素化された微細構造が生成される、追加の利点を有する。]
[0047] 本発明に係る有色ホログラム再現システムにおいて、3波長のみが必要とされることが好ましいため、例えば5次、6次、7次等の比較的低いブレーズ次数の回折次数が選択され得る。これはアレイ状の合焦手段の製造を簡単にする。]
[0048] 回折光学素子は、従来の光学関数(例えばレンズ、プリズム等)及び自由形状の位相関数(例えば球状素子)及び新たなビーム形成特性が実現されることを可能にすることが知られているため、同時に複数の光学パラメータがよりよく修正され得る。その結果、屈折手段で実現されない合焦特性が得られる。DOEで回折された波の位相変調は、DOE材質の面微細構造により実現されることが望ましい。あるいは、位相変調は、材質または当該材質において適用される薄膜における屈折率変調を経て実現され得る。]
[0049] 上述された回折光学素子は、選択された離散波長において、95〜99%の範囲の回折効率を実現する。得られる回折効率は、主に回折効果を有する構造のための製造プロセスの許容誤差で決定される。]
[0050] 本発明は、装置全体のとても少ない奥行き構造を保証する、製造されるホログラム再現システムの照明ユニットを許容することが好ましい。照明ユニットの軸方向奥行き(axial depth)は、実現可能な奥行き構造がアレイ状の光源の照明素子の数と単一の回折光学素子のサイズ間の関係によってのみ決定されるため、大幅に減らされ得る。]
[0051] 有色の3次元シーンを再現可能にするために、照明装置の照明素子が、色再現のために必要となる、1つの光源において同時にまたは連続的に3原色の光を放射する、点光源または線光源の形状を有することは必須である。このような有色点光源は、例えば繊維束(fibre bundle)または導波管の端点として実現され得る。]
[0052] 照明素子は、直接または光導波路のような回折手段を介して合焦手段を照射することができる。]
[0053] 数マイクロメータ範囲の高さ、及び数マイクロメータから数百マイクロメータ範囲の横方向の寸法を有する、定義された面内または面上の微細構造を作成するためには、例えばフォトリソグラフィー法、またはレーザ光、電子ビームまたはイオンビーム、または単一結晶ダイヤモンド機械加工等、多くの製造技術が知られている。また、微細構造は、安価な大量複製プロセスにおいて用いられるマスター金型、またはマスターを用いない直接フォトリソグラフィープロセスを利用して製造され得る。]
[0054] 本発明の実施形態は、明細書及び添付の図面を用いて、以下に説明する。]
[0055] 図1は、本発明に係る照明ユニットが用いられている、ホログラム再現システムの一般設計図を示している。再現システムの一般的な機能は、「3次元シーンのホログラム再現装置」と題された特許文献2に既に記載されている。この図では、本発明の照明ユニットにおけるアレイ状の光源の例示的な3つの照明素子LE1〜LE3のみが示されているが、実際には照明素子LE1〜LEnから成るマトリクス構造を備える2次元アレイである。それぞれの照明素子LEmは、アレイ状の合焦手段2の合焦素子DOE1〜DOE3として与えられる回折光学素子DOEに割り当てられる。合焦素子DOE1〜DOE3は、共通の焦点4において、空間光変調器(SLM:spatial light modulator)の変調セル(図示せず)を介して照明要素LE1〜LE3を結像する、またはさらなる合焦手段(図示せず)により共通の焦点において結像しながら、無限遠に光源を結像する多段の結像処理の最初の段階を実現する。焦点4は、観測者の眼球位置を同時に示している。この結像の間、干渉を起こす波は、図2に例示的に示された、符号化された再現されるシーンのオブジェクト光点P1〜P3のサブホログラムH1〜H3である、光変調器SLMのサブ領域を照射する。視認領域5は、必要であればさらなる合焦手段とともに合焦手段DOE1〜DOE3により実現される、部分光波W1〜W3が通過する符号化された光変調器の領域からのサブホログラムH1〜H3のフーリエ変換の結果として、焦点4において生成される。視認領域5のサイズは、サブホログラムH1〜H3のサイズによって定義される。] 図1 図2
[0056] 図3は、λblue=450nm、λgreen=525nm、λred=630nmの波長を有する光の、単一回折光学素子の設計を示したグラフである。グラフは、λsyn=3150nmの微細構造のための共通の合成設計波長は、5次回折次数における赤、6次回折次数における緑、7次回折次数における青が選択され得る。異なる合成設計波長を選択したほうがよいことは、本技術分野に属する当業者には容易に理解できよう。このことは、他の波長の光源のみがコスト無しまたはより好ましいコストで利用可能な場合、3以上の異なる波長が用いられる場合、または、より広い色空間が実現される場合、に推奨されうる。] 図3
[0057] 図4は、本発明に係る、1以上の波長より大きいブレーズ次数で用いられる回折光学素子の実施形態の回折効率を示したグラフである。それぞれのブレーズ次数qにおける3つの離散波長(原色:青=450nm、緑=525nm、及び赤=630nm)において、理論上100%のスカラー回折効率が得られること、及び離散的に選択された色に対応する他の波長において、回折効率が大幅に減少することを示している。一方、破線は1次ブレーズ次数における、照明波長に関する波長感度が明らかに減少している、従来の屈折光学素子の挙動を示している。図はさらに、より高く選択されたブレーズ次数における小さい波長の変動に対して、回折効率がより影響を受けることを示している。このことは、3つの例示的に選択された波長において、9次のブレーズ次数が青に対して選択されるため、回折光学素子が青色光のスペクトル範囲における波長変動にもっとも影響を受けることを意味する。それ故に、この効果を最小限に制限するために、可能な限り低く設定したブレーズ次数が用いられることが好ましい。] 図4
权利要求:

請求項1
シーンのオブジェクト光点の3次元的再現のための、ホログラム再現システムの空間光変調手段の照明ユニットであって、前記空間光変調手段は、干渉を起こす光波であって、照明手段によって放射された、少なくとも1つのビデオホログラムを有する光波を変調し、前記照明ユニットは、マトリックス状に配置され、再現されたオブジェクト光点を含む前記変調された光波を、観測者の少なくとも1つの眼球位置に合焦させる合焦素子を有するアレイ状の合焦手段を備え、前記照明ユニットは、マトリックス状に配置され、干渉を起こす光を放射する照明手段を備える、アレイ状の光源をさらに備え、前記合焦素子は、それぞれの合焦素子が、前記アレイ状の光源の少なくとも1つの照明素子に割り当てられるように、前記アレイ状の合焦手段内に構成され、前記アレイ状の合焦手段は、透過または反射素材の回折光学素子(DOE)上にマトリックス構造を備え、それぞれの回折素子は、干渉を起こす部分光波であって、眼球位置に伝播される部分光波を形成するような、割り当てられた照明素子のコヒーレント光を形成するため、前記アレイ状の光源の照明素子に割り当てられ、前記回折光学素子(DOE)は、それぞれの対応する部分光波を合焦させるか、または所定の形状の照明波を形成するように前記それぞれの対応する部分光波を結合し、前記空間光変調手段を照射し、必要であればさらなる合焦手段との組合せにより、前記変調手段の面のサブ領域が照射された後に、前記眼球位置における共通の焦点で本質的に一致するように、全ての部分光波を方向付ける、ことを特徴とする照明ユニット。
請求項2
前記回折光学素子は面内に配置され、湾曲レンズアレイの光学機能を実現する、ことを特徴とする請求項1に記載の照明ユニット。
請求項3
前記回折光学素子は面内に配置され、平面レンズアレイの光学機能を実現し、前記変調手段の面のサブ領域が照射された後に、前記眼球位置における共通の焦点において本質的に一致するように、光路上で後に配置される、少なくとも1つのさらなる合焦素子を用いて、全ての部分光波を方向付ける、ことを特徴とする請求項1に記載の照明ユニット。
請求項4
異なる離散スペクトル波長を有するコヒーレント光が照射されたビデオホログラムを有する有色のホログラム再現のために、前記回折光学素子(DOE)はマルチスペクトルの光回折を実現し、それぞれのスペクトル波長において、波の伝播に対して別々の回折次数を用いるように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の照明ユニット。
請求項5
光成分の光波を形成する場合、前記回折光学素子(DOE)の微細構造を各光成分波の光を実質的に同一な方向、特定可能な方向、または空間における共通の焦点に向かうように方向付けるような別々の回折次数が、それぞれの光波長に対して選択されるように、前記回折光学素子の波長依存の光学的挙動を利用する、ことを特徴とする請求項4に記載の照明ユニット。
請求項6
前記眼球位置に波を方向付けない回折次数の光が抑圧されるように構成された周期的微細構造において、プリズム素子を利用する、ことを特徴とする請求項4に記載の照明ユニット。
請求項7
前記焦点及び前記変調された光波が現在の眼球位置に従って追跡されるようにするための位置検出手段及び波追跡手段を有する、システム制御器を含む、ホログラム再現システムにおいて用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載の照明ユニット。
請求項8
周期的微細構造を有する前記回折光学素子(DOE)を備えた、アレイ状の合焦手段を備え、前記周期的微細構造の回折特性は、前記眼球位置に応じて焦点値を変更するために、個々に制御可能なマイクロセルを備える、ことを特徴とする請求項7に記載の照明ユニット。
請求項9
前記制御可能なマイクロセルは、前記シーンが再現される前に、前記現在の眼球位置において近接する軸の基本位置に方向付けられている前記変調及び合焦された光波を、横方向に方向付けるために、制御可能な回折格子においてプリズム機能を実現する、ことを特徴とする請求項8に記載の照明ユニット。
請求項10
前記制御可能なマイクロセルは、複数の光波長の断面を有する液滴駆動セルであり、前記光変調手段を照射するための前記光波の伝播パラメータは位相変化のために変更可能である、ことを特徴とする請求項9に記載の照明ユニット。
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引用文献:
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优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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